GLOCOLでは、大阪大学と国際協力機構(JICA)との連携協定に基づき、平成19年度および平成20年度にJICA研修事業「持続的な人間の安全保障とキャパシティ・ディベロップメントセミナー」を受託し、研修の企画と実施に携わってきた。平成19年度はアジア諸国を対象に、また平成20年度はアフリカ諸国を対象として研修を実施した。平成21年度は、中南米諸国を対象として同セミナーを実施する予定であったが、平成20年度中にJICAが対象国政府への要望調査を実施した結果、受講希望がなかったため、平成21年度の同セミナーは実施に至らなかった。
JICAとの協議の結果、平成22年度以降の研修企画に際しては、GLOCOLが実施した「持続的な人間の安全保障とキャパシティ・ディベロップメントセミナー」と、お茶の水女子大学の内海成治教授(元大阪大学人間科学研究科教授)がコースリーダーとなって実施してきた「アフリカ地域紛争後復興期における教育開発コース」のふたつを統合し、新たな研修コースを策定することとなった。そのためGLOCOLでは、次年度以降のセミナーの企画を効果的なものとするために、平成21年度の「アフリカ地域紛争後復興期における教育開発コース」フォローアップセミナー(平成21年12月1日から4日に南部スーダン・ジュバで実施)の企画・運営に参画することとなった。具体的には、GLOCOLがファシリテーターおよびコメンテーターを提供するとともに、カリキュラム作成と運営の面で協力することとなり、栗本センター長とスタッフ2名(ホーキンス特任助教と三田特任研究員)が参加した。
「アフリカ地域紛争後復興期における教育開発コース」フォローアップセミナー
フォローアップセミナーは、各研修員のアクションプランの進捗状況の報告、南部スーダンの教育復興に関するセッション、南部スーダンの教育機関の視察で構成されていた。その目的は次の5つであった。1)アフリカ(南部スーダン)における教育復興の事例から、実践的な知識を得る、2)それぞれのアクションプランの進捗状況について報告し、他国の参加者からフィードバックを得る、3)帰国研修員以外の関係者と情報を共有し、アクションプランの実施を促進する、4)活発な情報交換を通じ帰国研修員のネットワークを強化する、5)今後の本分野に関する研修ニーズを聴取する。
研修員からは、日本で行った研修に参加したときに作成したアクションプランの進捗状況と成果の発表があり、他の研修員とリソースパーソンからのフィードバックを得た。参加した研修員4名のアクションプランは次のとおりである。
- Mr. Eugene W. Jappah (リベリア)
教育カリキュラムに平和教育の導入の構想 - Mr. Adolph Yambayamba (コンゴ民主共和国)
キンシャサ市医療従事者向け産婦人科研修計画 - Ms. Josephine Bangurambona (ブルンジ)
民間伝承の教材化計画 - Ms. Christine Nduwimana (ブルンジ)
初等・中等教育の留年問題に関するワークショップの実施
南部スーダンの教育復興に関するセッションでは、南部スーダン政府教育科学技術省の職員らから、教育分野復興の取り組みの概要、カリキュラム開発、教員研修、情報管理システム、高等教育機関についての現状と課題が共有され、研修員との意見交換が行われた。また、教育復興を支援するドナーとのパートナーシップにするセッションでは、ドナー(ジョイント・ドナー・チーム、JICA、UNHCR)の取り組みについてのプレゼンテーションが行われた。さらに、実際の教育現場(初等教育機関、中等教育機関、高等教育機関(大学)、教員研修所(建設中))を訪問・視察し、南部スーダンの教育復興の実情を把握した。
本セミナーにGLOCOLが参画したことにより、以下の効果があったと考えられる。
- 南部スーダンをフィールドとして長年研究をしてきた栗本センター長がコメンテーターとして参加したことにより、活発な議論を引き起こし、参加者の理解をより深めることができた。
- GLOCOL教員が専任のファシリテーター役を担ったことにより、各講義や発表を研修の目的に合うように導くことができた。
- GLOCOL教員がセミナーのカリキュラム作成およびセミナー運営に携わり、より効果的なセミナーをデザインし実施することができた。
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